三国志
結果的にはとても面白かった。
全12巻だがいつものように最初の1~2巻は主要人物が
一切出てこないw
吉川三国志のほうが面白いとか色々聞いたりもするが
私は宮城谷三国志を自信を持ってお勧めできる。
”孟嘗君“や”奇貨居くべし“を読んだとき創作感が強いが
面白いという印象だった。
一方、今回の三国志は正史の色合いが大変濃い作品であった。
長年の疑問だったが納得がいった。この点、宮城谷三国志の
役割は大きいと感じる。
最大の理由である。曹操は優秀で器もでかい男だったから
漢の太平の世を経て、春秋戦国時代の知見が教養となり
優秀な人物が大変多い時代だった。曹操はその優秀な人材を
全て取り込む勢いで成長していった。その過程で(元々の素質もありそうだが)
敵を許す事にかけて右に出る者はいなかった。
そんな成功体験を積み重ねて大きくなったからこそ
黄蓋の投降を疑念もなく信じたと思われる。
もちろん、兵力差や人材の量などを鑑みて投降は
当然の判断と思ったのかもしれない。
・・・
また、本作の魅力は敵味方のレベルの高さにある。
差が有り過ぎて大味な印象である。
しかし、三国志では優秀な者同士が戦っており
我々の日常に活かす意味では部があるのではないか。